おまとめローンは多重債務解消に役立つローン商品です。複数の借金をおまとめローンで一本化すれば月々の返済負担を軽くできます。おまとめローンは消費者金融が取り扱っていますし、銀行カードローンもおまとめローンや借り換えローンとして利用できます。
目次
おまとめローンとは
おまとめローンとは、複数の借金を一本化できるローン商品です。おまとめローンの多くは、限度額が高額で低金利となっています。借金のまとめ払いに利用可能なため、返済負担を軽減することができます。
複数の借入先があるなら借金を一本化できる
複数の金融業者に借金を返済し続けているが、利息を払うばかりで元金が減らない…。こんな状態に悩まされていませんか?
高金利な借入が複数あると毎月高額な利息を支払うことになり、返済額が大きい割に元金が減らない状態におちいってしまいます。
延々と続く多重債務の苦しみから脱出するには、何らかの救済措置が必要になります。そこで利用をおすすめしたいのが「おまとめローン」です。
消費者金融と銀行カードローンのおまとめローンの違い
おまとめローンは、主に2種類の金融機関が取扱っています。その金融機関とは、消費者金融と銀行です。消費者金融ではおまとめ専用ローンを利用できますし、銀行ではカードローンをおまとめローンとして活用できる場合があります。
ただし同じおまとめローンといっても、消費者金融と銀行では特徴が異なるので注意が必要です。消費者金融は銀行より審査が甘めである反面、金利は高めとなっています。一方の銀行カードローンは金利が比較的低く設定されていますが、審査は少し厳しめです。
消費者金融と銀行カードローンのおまとめローンを比較!
消費者金融のおまとめローンと銀行カードローンは、提供する金融機関ごとにスペックが違っています。ここでは、消費者金融3社と3つの銀行カードローンの基本スペックを比較してみましょう。以下でご紹介するデータをおまとめローン選びの参考にしてください。
消費者金融系おまとめローンのスペック
まずは、消費者金融が提供しているおまとめローンのスペックを確認していきましょう。
アコム(借換え専用ローン)
金利=年7.7%~年18.0%/限度額=1万円~300万円/最長返済回数=162回/返済方式=元利均等返済
プロミス(おまとめローン)
金利=年6.3%~年17.8%/限度額=1万円~300万円/最長返済回数=120回/返済方式=元利定額返済
アイフル(かりかえMAX)
金利=年12.0%~年17.5%/限度額=1万円~500万円/最長返済回数=120回/返済方式=元利定額返済
上記を見てわかるように最高金利は3社ともほぼ横ばいで、限度額はアイフルのみが最高500万円と高額です。
また、返済方式の名称がアコムとほかの消費者金融で違っていますが、どちらも内容に変わりはありません。両者ともに返済額が毎月一定で、借入残高の減少に応じて返済額に含まれる利息の割合が減っていく返済方式なのだと覚えておいてください。
なお、アイフルにはアイフルを利用中の方および過去の利用者を対象とした、「おまとめMAX」というローン商品も用意されています。こちらのスペックもチェックしてみましょう。
アイフル(おまとめMAX)
金利=年12.0%~年15.0%/限度額=1万円~500万円/最長返済回数=120回/返済方式=元利定額返済
前述の「かりかえMAX」と比べると、最高金利が低くなっていますね。
銀行カードローン(おまとめローン利用可能)のスペック
では続いて、おまとめローンとして利用できる銀行カードローンのスペックを確認していきましょう。
楽天銀行スーパーローン
金利=年1.9%~年14.5%/限度額=10万円~800万円/契約期間=1年ごとに自動更新/返済方式=残高スライドリボルビング方式
上記の通り、限度額は最高800万円と高額に設定されています。金利に関しては、どのカードローンも消費者金融より低めです。
一部の銀行では返済方式を「残高スライド方式」としていますが、内容は「残高スライドリボルビング方式」と同じです。呼び名が違いますが、どちらも「借入残高に応じて毎月返済する“一定額”が変化する返済方式」だと覚えておいてください。
おまとめローンの金利シミュレーション比較
実際におまとめローンや銀行カードローンを利用すると、どのぐらいの金利負担が発生するのでしょうか。
おまとめローンおよび銀行カードローンを利用した場合に発生する利息を簡易的にシミュレーションしていきましょう。なお、例として借入額は150万円、貸付期間は5年(60回払い)とします。
消費者金融のおまとめローン
金利=年15%/返済総額=214万1,075円/利息総額64万1,075円
ここでは便宜上、貸金業法に定められた100万円以上の貸付に対する上限金利15%でシミューレーションを行っています。アコム、プロミス、アイフルは3社とも実質的な返済方式が同じなので、計算結果も同じになると考えてください。
銀行カードローン(おまとめローンとして利用可能)
続いて、銀行カードローンの金利をシミューレーションしてみましょう。
残高スライドリボルビング方式では、約定返済金額以上の金額を積極的に返済していかなければ、返済回数と利息が大幅に膨らんでしまいます。そこで今回は、60回で返済が終わるように月々の返済額を設定しました。結果は以下の通りです。
楽天銀行スーパーローン(年利14.5%で毎月35,292円を返済した場合)
返済総額=211万7,557円/利息総額=61万7,557円
いずれも、150万円を借り入れた場合の上限金利で計算しています。シミューレーションの中でも目を引くのが年利と利息総額。金利の低さがそのまま利息の低さにつながっていることがわかりますね。
なお、ホームページ上で計算を行ったため、最終月の返済額が微調整されています。また、ほかのカードローンの返済総額や利息総額は計算ソフトで行っているので、あくまで参考程度の数字として捉えてください。
銀行カードローンの「おまとめローン」がおすすめな人をタイプ診断
銀行カードローンの金利および利息総額は消費者金融より低めです。ただ、誰にでも銀行カードローンの利用をおすすめできるのかというと、そうでもありません。
申し込みをする前に、下記の項目に目を通して、ご自身が銀行カードローンの利用に適しているか否かを確認してみてください。
- 少しでも低い金利でおまとめしたい方
- クレヒスに自信がある方
- 時間が緊急では無い方
少しでも低い金利でおまとめしたい方
銀行カードローンの金利は消費者金融と比べて低く設定されています。おまとめローンで少しでも金利負担を抑えたいなら、銀行カードローンの利用を検討する価値大です。
クレヒスに自信がある方
もしクレヒスに自信があるなら、銀行カードローンによるおまとめを検討する価値があります。クレヒスとは、クレジットヒストリーの略。いわば借金に関する履歴のようなものです。
今までにローンやキャッシングなどを利用しており、かつ滞りなく返済を行っているのであれば、優れたクレヒスを築いていると考えてよいでしょう。クレヒスに問題がなければ、審査の厳しい銀行カードローンもすんなり利用できる可能性があります。
一方、過去に借金の返済を3ヶ月以上延滞していたり、短期間にキャッシングやクレジットカードの申し込みを多数行ったりしている場合は要注意。クレヒスに問題のある人物として、銀行カードローンの審査ではねられる可能性が高くなります。
時間が緊急では無い方
銀行カードローンは、申し込みから融資を受けるまでに時間がかかる場合があります。提供元の銀行によっては数日から数週間待たされることもあるので、急ぎで融資を受けたい場合は要注意です。
とはいえ特に急ぎでない場合は、多少時間がかかったとしても低金利なローンを利用した方がお得といえます。「すぐにでも融資を受けたい!」という方以外は、銀行カードローンを選んで損はありません。
銀行カードローンの「おまとめローン」の便利な申込方法
自身が銀行カードローンの利用に適していると感じた方は、以下のカードローン申込方法をチェックしてみてください。非常に手軽でおすすめの申込方法ですし、契約した銀行カードローンをおまとめローンとして活用しても何ら問題はありません。
インターネット上で完結する楽天銀行スーパーローン
楽天銀行スーパーローンの申し込みは、インターネット上で完結します。申し込み手順は以下のとおりです。
- 楽天銀行スーパーローンの申し込みフォームにアクセスして、必要事項を入力する
- 申し込みフォームの送信後、最短当日中に審査結果がメールで通知される
- 契約内容を伝える電話が入る
- 専用スマホアプリで必要書類の画像データを提出する
- ローン専用カードが送られてくる
- 口座振替依頼書を楽天銀行に返送する
手順4に記載されているように、契約に必要な本人確認書類の提出はスマホアプリで済ませることができます。スマートフォンを持っていない場合は、郵送で書類を提出することも可能です。ただし書類のやり取りに数日を要するぶん、契約に時間がかかるのでご注意ください。
消費者金融の「おまとめローン」がおすすめな人をタイプ診断
「銀行カードローンは自分に合わないかも…」と思った方は、以下の項目をチェックしてみてください。マッチする項目があれば、消費者金融が提供するおまとめローンの利用を検討する価値大です。
- 急いでおまとめしたい方
- 審査落ちが心配な方
急いでおまとめしたい方
できるだけ早くおまとめローンを利用したい方に、消費者金融のおまとめローンはおすすめです。融資スピードに優れる消費者金融は、おまとめローンの融資も非常にスピーディーです。申込当日中に融資を受けられる業者が多いので、急いで借金を一本化したい方は重宝するでしょう。
審査落ちが心配な方
銀行カードローンの審査に通る自信がない方でも、消費者金融でおまとめローンの審査を受ける価値は十分にあります。というのも、銀行カードローンの審査に落ちた人が、消費者金融を利用できるケースは多いからです。
消費者金融は長年培ったノウハウを活かして、銀行よりも綿密に申込者の情報をチェックします。このチェックによって貸付する金額を細かく判断するために、銀行カードローンの審査でバッサリ落とされた人でも消費者金融で借入できるケースがあるのです。
上記の理由から、銀行カードローンでの審査落ちが心配な方に消費者金融のおまとめローンはおすすめです。
消費者金融3社の「おまとめローン」の申込方法
消費者金融のキャッシングを申し込む方法はいくつかありますが、おまとめローンの場合は申込方法が限られます。以下で、大手消費者金融3社のおまとめローン申込方法を確認してみてください。
アコムの借換え専用ローン
アコムの「借換え専用ローン」の申込方法は、フリーコールへの電話一択となっています。詳しい申込手順は、以下のとおりです。
- フリーコールに電話をかける
- 電話で説明された必要書類を持って、アコムの店頭窓口あるいは自動契約機に出向く
- その場で審査を受け、合格であれば契約を交わす
- アコムが利用者名義で他社(利用者の借入先)への振込を行なう
手順2でアコムの店舗に出向く時間がない場合は、郵送で契約を行うことも可能です。ただし、書類のやり取りに数日を要する点にご注意ください。
なお、アコムの店頭窓口の営業時間は9時30分から18時まで(平日のみ)です。自動契約機の営業時間は9時から21時(土日祝日含む)までとなっています※年中無休(年末年始は除く)。
プロミスのおまとめローン
プロミスの「おまとめローン」は、フリーコールもしくはプロミスの店舗で申し込めます。おすすめはフリーコールからの申し込みです。事前に必要な書類を確認できるので、よりスムーズなおまとめローンの利用につながります。
以下で、フリーコールからプロミスのおまとめローンを申し込む手順をチェックしてみましょう。
- フリーコール(プロミスコール)に電話をかける
- 電話で説明された必要書類を持って、プロミスのお客様サービスプラザ(店頭窓口)あるいは自動契約機に出向く
- その場で審査を受け、合格であれば契約を交わす
- プロミスが利用者名義で他社(利用者の借入先)への振込を行なう
上記の通り、プロミスのおまとめローンはアコムの借換専用ローンと同様の手順で申し込めます。
なお、お客様サービスプラザの営業時間は10:00~18:00です(※店舗により営業時間、休日が異なります)。自動契約機の営業時間は9:00~21:00※契約機により営業時間が異なります。
アイフルのおまとめMAX・かりかえMAX
アイフルの「おまとめMAX」および「かりかえMAX」は、インターネットもしくはフリーコールで申し込めます。まず、インターネットから申し込む場合の手順を見てみましょう。
- 「おまとめMAX」or「かりかえMAX」のWEB申し込みフォームにアクセスして、必要事項を入力する
- 審査結果の連絡が入る
- 必要書類を持って、アイフルの店頭窓口に出向く
- 契約完了後、他社への返済を行う
申し込みフォームには、他社借入状況を入力する欄が複数用意されています。「他社借入状況(1)」は必須項目となっているので、間違いのないように入力してください。なお審査通過後の契約は、郵送で行なうことも可能です。ただし、時間がかかるので、急ぎの場合は店頭に出向くことをおすすめします。
続いて、フリーコールからの申込手順についてです。フリーコールからアイフルのおまとめローンを申し込む場合、上記のインターネットでの申込手順1が以下の内容に変わります。
1.フリーコールに電話をかけ、審査に関する質問に正確に答える
アイフルのフリーコールから「おまとめMAX」や「かりかえMAX」を申し込むと、オペレーターから複数の質問を受けることになります。いずれの質問も審査結果に影響を与えるので、正確に答えてください。審査通過後の契約手順は、インターネットから申し込んだ場合と同様です。
申し込み前に押さえておこう!おまとめローンの基礎知識
本記事の締めくくりとして、おまとめローンの基礎知識をご紹介します。以下にあげる2点は、おまとめローン申込前に押さえておきましょう。
おまとめローンのメリット
おまとめローンはメリットの多いローン商品ですが、やはりデメリットもあります。
以下で、おまとめローンのメリットとデメリットをチェックしてみましょう。まずはメリットから。
- 借金を一本化することで金利負担が減る
- 借金の本数が減ることで気分的に楽になる
多くの場合、借金を一本化すると金利負担が減ります。また借入先が減ることで、精神的な負担も軽減されることでしょう。
おまとめローンのデメリット
しかし、以下のデメリットに注意しなければ、おまとめローンで思わぬ損を被る可能性があります。
- 月々の返済額を少額に設定すると、おまとめ前より利息総額が増える場合がある
月々のおまとめローン返済額を少額に設定すると、返済期間(返済回数)が伸びて利息総額が高額になる場合があります。月々の返済負担が軽くなるとはいえ、利息がおまとめ前より増えては損というもの。
おまとめローンを利用するなら、利息総額を考慮した返済シミューレーションを事前にしっかり行ってください。