この記事では、カードローンの返済方法である、「残高スライド方式」について詳しく解説していきます。カードローンには様々な返済方法があるのですが、 ほとんどのカードローンでは、この記事で解説していく残高スライド方式が採用されています。少しでも有利にカードローンを利用できるよう、カードローンの返済方法の仕組みを理解していきましょう。
目次
カードローンの返済方法
カードローンの返済方法には、多くの種類があります。
- 元利定額リボルビング方式
- 元金定額リボルビング方式
- 元利定率リボルビング方式
- 元金定率リボルビング方式
- 残高スライド元利定額リボルビング方式
- 残高スライド元金定額リボルビング方式
- 残高スライド元利定率リボルビング方式
- 残高スライド元金定率リボルビング方式
このように、カードローンの返済方法には覚えられないほど、たくさんの返済方法があるんですよね。
しかし、難しく考える必要はありません。実はほとんどのカードローンで採用されている返済方法は、この記事で解説する「残高スライド方式」なんですよね。また、そのほかの返済方法についても分かりやすく解説していくので、この記事を読み終える頃にはカードローンの返済方法についての理解も深まっているはずです。
カードローンの残高スライド方式とは?
まずは、ほとんどのカードローンの返済で採用されている、「残高スライド方式」について確認していきます。
残高スライド方式について
カードローンの残高スライド方式とは、この名称の通り、「カードローンの残高によって(返済額が)スライドする返済方法」となります。つまり、借り入れ残高によって返済額が調整されるため、返済が進んでいくと毎月の返済額がスライドして減っていくんです。
また、この残高スライド方式で決められた返済額は、一般的には「ミニマムペイメント」と呼ばれていて、毎月最低限返済が必要な金額となります。ある消費者金融の例を挙げて、この残高スライド方式のサンプルを確認してみましょう。また、ほとんどのカードローンで適用されている残高スライド方式とは、「残高スライド元利定額返済方式」となります。
借り入れ残高 | 毎月の返済額 |
---|---|
100万円以内 | 1万円 |
100万円超〜200万円以内 | 2万円 |
200万円超〜300万円以内 | 3万円 |
300万円超〜400万円以内 | 4万円 |
400万円超〜500万円以内 | 5万円 |
このように、借り入れ残高によって毎月の返済額が異なるんですよね。また、高額な借り入れ残高であるほど、毎月の返済額が高額となっているのが確認できるでしょう。
この場合の毎月の返済額は「ミニマムペイメント」と呼ばれていて、毎月最低限返済が必要な金額となっているんです。ほとんどのカードローンでは、ミニマムペイメントの返済の他に、手持ちの資金が余った時などに追加で返済できる「随時返済」という返済方法も用意されています。
残高スライド元利定額返済方式とは?
残高スライド方式とは、ほとんどが「残高スライド元利定額返済方式」となっています。この残高スライド元利定額返済方式について、簡単に解説していきます。長い名称なので読み上げるのも大変なのですが、実は分かりやすく言葉を分解できるんですよね。
残高スライド + 元利 + 定額返済 + 方式
となります。それぞれの項目を確認していきましょう。
名称 | 内容 |
---|---|
残高スライド | 残高によってスライドする。この場合は、借り入れ残高によって返済額が調整され、残高が減るほど返済額が減っていく。 |
元利 | 元金+利息のこと。返済額の中に元金と利息が含まれることを指す。 |
定額返済 | 毎月決まった返済額のこと。 |
方式 | 返済する方法。 |
残高スライド元利定額返済方法とは、このように言葉を分解すると理解しやすいんです。カードローンで提供されている返済方法の内容がわからない場合は、言葉を分解して理解するようにしてみましょう。
残高スライド方式には様々な呼び名がある!
また、この残高スライド方式ですが、「残高スライド元利定額返済方式」という呼び名だけでなく、提供している金融業者によっても様々な呼び名があるんです。
- 残高スライド元利定額リボ
- 定額リボルビング方式
- 残高スライド返済方式
- 借入後残高スライド定額リボ
これらは一例なのですが、全て残高スライド元利定額返済方式となるため、注意しておいてくださいね。また、呼び名が大きく異なる場合は、返済方法が違う場合もあるため、前もって利用先の金融業者へ確認しておくこともおすすめです。
カードローンの残高スライド方式のメリットとデメリット
このカードローンの残高スライド方式(残高スライド元利定額返済方式)のメリットとデメリットを確認しておきましょう。
残高スライド方式(残高スライド元利定額返済方式)のメリット
毎月の返済負担額を少額に抑えられる
先ほど解説したように、残高スライド方式では毎月少額の返済負担額で済む場合がほとんどなんです。数百万円単位でキャッシングしている人は、5万円〜10万円前後の高額な返済となってしまう恐れもありますが、100万円以下のキャッシングであれば毎月1万円程度で済む場合がほとんどなんです。
残高スライド方式の少額の返済では、家計への負担も小さいので毎月しっかりと返済を続けやすく、カードローン利用時の大きなメリットとなるでしょう。
残高スライド方式(残高スライド元利定額返済方式)のデメリット
残高スライド方式には、いくつかデメリットとなる項目があるんです。
- 少額の返済で長期的な返済となる場合も
- 現在の借り入れ残高が把握しにくい
少額の返済で長期的な返済となる場合も
カードローンの残高スライド方式では、毎月少額の返済でOKなので、元金をなかなか減らせない可能性があります。元金が減らない=借金が減らないため、長期的な返済となってしまう恐れがあるんですよね。毎月の返済額と、返済にかかる期間をしっかりと把握しておきましょう。
現在の借り入れ残高が把握しにくい
カードローンでは限度額以内であれば、何度でもお金を借りられます。しかし、残高スライド方式での返済の場合は、毎月一定額の返済となるため、現在借りているお金の総額を把握しにくいんですよね。
初回に10万円しか借りてなかったけど、その後数回借り入れをして、気がつけば100万円近くの借金になった、というようなことは珍しくありません。このように、カードローンでの借り入れ金額が把握しにくくなるため、自宅に届く利用明細書やウェブ明細書でしっかりと借り入れ残高を確認しておくことをおすすめします。
カードローンの返済には随時返済も併せて行う!
カードローンの残高スライド方式では、随時返済も併せて行える場合がほとんどです。つまり、残高スライド方式の少額の返済だけでは、先ほども解説したように「元金(=借金)がなかなか減らない」「返済期間が長期化する」というようなデメリットがありました。このため、お金に余裕のあるタイミングで返済可能な「随時返済」を利用することをおすすめします。
カードローンの随時返済を利用するには?
カードローンの随時返済は、毎月の残高スライド方式の定額返済を済ませた後から利用できます。例えば毎月の定額返済が5000円ある場合、5000円を返済した後、手持ちの資金に余裕がある場合に追加で返済が可能となります。
随時返済を利用すれば元金をスピーディーに繰上げ返済できるため、返済期間をかなり短縮させることも可能なんですよね。残高スライド方式は、家計が苦しいというような人にはとても使いやすい返済方法ですが、お金に余裕のあるタイミングでは、必ず随時返済を行うようにしてくださいね。
カードローンの返済方法を理解するための用語について
さいごに、カードローンの返済方法で使われる用語の解説をまとめてみました。
用語 | 内容 |
---|---|
リボルビング払い | 主にリボ払いと略されることが多い。毎月決められた金額を返済していく方法。カードローンでの返済は基本的に全てリボ払いとなる。 |
ミニマムペイメント | リボルビング払いで返済する毎月の最低限の返済額をミニマムペイメントと呼ぶ。 |
スライド | 借り入れ残高などによって、返済額などがスライドし減額や増額すること。 |
元金 | 元金とは、借り入れ残高のこと。借金。「元金返済」方式では、決まった元金 + 利息となり、返済を進めて行くほど返済額が小さくなる。 |
元利 | 元金 + 利息のこと。「元利返済」方式であれば、毎月の返済額は一定で、返済額の中に元金と利息が含まれる。ただし、元金がなかなか減らず、借金が長期化してしまう可能性もある。 |
定額 | 決まった金額。 |
定率 | 決まった割合。「定率リボルビング方式」の場合、例えば残高の3%が定率となっている場合、100万円借りている場合、3%の「3万円」が返済額となる。利率は同じだが、毎月の返済額が変動していく点には注意。 |
まとめ|カードローンの残高スライド方式をうまく利用するために!
この記事では、カードローンの返済方法について詳しく解説してきました。ほとんどのカードローンで採用されている「残高スライド方式」について理解できたでしょうか。また、この残高スライド方式をうまく利用するには、下記の点に注意が必要でしたよね。
カードローンの残高スライド方式で注意しておきたいポイント
先ほども解説しましたが、残高スライド方式での大切なポイントとなる項目を、おさらいとしてもう一度確認しておきましょう。
・返済が長期化してしまう恐れがある
・繰上げ返済(=随時返済)は必ず利用する
返済が長期化してしまう恐れがある
カードローンの残高スライド方式では、毎月の返済額が少額となるため毎月元金の返済が少なく、借金完済まで長期化してしまう恐れがあります。返済が長期化してしまうとその分利息が高くなるため、返済総額が膨らんでしまうんですよね。
繰上げ返済(=随時返済)は必ず利用する
カードローンの返済を長期化させないためにも、お金に余裕のあるタイミングで繰り上げ返済(=随時返済)を行い、早めの完済を狙いましょう。早めに完済すれば、その分利息を抑えられるので、返済総額を減らせる可能性もあるんですよね。
損しないように残高スライド方式をうまく活用しよう!
残高スライド方式での返済では、このように注意しておくポイントがあるんですよね。ぜひこの記事を参考にしながら、損しないようにうまく残高スライド方式での返済を行うようにしてみてくださいね。また、返済方法についての用語などが分からなくなった時には、またこの記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。
残高スライド方式をうまく利用し、カードローンのキャッシングを上手に活用してみてくださいね。